
開催日時
2025年11月8日(土)
開場16:30/上映開始17:30
★上映後トークショー(20:30頃終了予定)
参加費
【一般】¥2,500
【南房総地域ローカル割引】¥2,000
【20歳以下割引】¥1,500
★定員25名/ご予約者優先(先着順)
会場
3103 croquette|サンイチゼロサンコロッケ (千葉県・鋸南町)
没後8年となる今もなお各国で新しい読者を獲得し続けている孤高の〝ストーリーテラー〟ジョン・バージャーの晩年を追ったドキュメンタリー映画『ジョン・バージャーと4つの季節』を南房総エリアで初上映。
青山学院大学総合文化政策学部「音楽専門ウェブメディアの研究と実践ラボ」との共同企画として、鋸南町の美しい夕景を楽しむことができるコロッケ専門店&カフェ「3103croquette」にてトーク付き上映を開催します。
上映作品
『ジョン・バージャーと4つの季節』(2015年製作/90分/イギリス)
監督:ティルダ・スウィントン、コリン・マッケイブ、バルテク・ヅィアドーシュ、クリストファー・ロス
製作:ティルダ・スウィントン、コリン・マッケイブ
音楽:サイモン・フィッシャー・ターナー
配給:BABELO
ティルダ・スウィントンが製作を手がけ、自身が強く影響を受けたイギリスの作家ジョン・バージャーの晩年の姿に迫ったドキュメンタリー。
1950年代末のデビューから2017年に他界するまで、美術批評、詩作、戯曲、小説など多彩な分野で表現活動を展開したジョン・バージャー。ブッカー賞を受賞した小説「G.」や世界的ロングセラー「イメージ:視覚とメディア」などで知られ、近年では韓国や日本でも多くの著作が翻訳され評価が高まっている。
そんなバージャーを敬愛し、1980年代から親交を深めてきたスウィントンが、2009年にロンドンの実験的映像プロダクション「デレク・ジャーマン・ラボ」と共同で本作を企画。スウィントンと2人の子どもたち、バージャーを慕うアーティストたちが、フレンチ・アルプスの村カンシーに暮らすバージャーの元を訪ね、戦争の記憶、人間と動物、政治とアート、そして次世代への継承について対話を繰り広げる姿を、カンシーの四季に沿って編まれた4つのチャプターを通して描きだす。2016年・第66回ベルリン国際映画祭出品作品。
トーク出演
Masato Takahashi (buna / ENG4WA)
前田浩彦(「あわぶっく市」主宰)
司会:倉持政晴(区区往来)、東海林修(UNCANNY)
南房総地域の小さな町「鋸南町」での『ジョン・バージャーと4つの季節』上映会開催に寄せて
文責:倉持政晴 (区区往来)
〝本はときおり、著者が年を取っていくのとは逆に、歳月とともに若返ることがある〟──これは1975年に出版された書籍『第七の男』が2010年に新装版として復刊された際に、著者のジョン・バージャーが新たに書き加えた序文の中の一文です。
60年代ヨーロッパを生きた移民たちの姿が、ジョン・バージャーのテキストとジャン・モアの写真によって克明にとらえられたルポタージュである本書は当時、先進国のメディアには無視あるいは酷評されたのだといいます。その一方で、彼らの経済的な豊かさを労働力として支えた移民たちによって〝自分たちの物語〟としてこの本は今日まで長く読み継がれてきました。
そして昨年、文化翻訳をコンセプトを掲げるコレクティブBABELOの尽力によって日本語翻訳版が初めて上梓されたことを契機に、初版から約50年の時を経てここ日本でもこの本が読まれるようになりました。メディアで〝移民〟という言葉が飛び交う昨今、この本は著者の没後もなお新しい読者を獲得することによりまた若返ろうとしているようです。
美術評論家・作家・詩人・画家とさまざまなアウトプットを兼ね備えた知の巨人でありながら自らを〝ストーリーテラー〟と名乗り、生涯を通して新自由主義の経済構造への批判的な眼差しを保ちつつ、生まれ故郷のロンドンを離れてフレンチアルプスの農村へと移り住んだジョン・バージャー。
今回のイベントでは『第七の男』日本語訳版の出版を記念して今年公開されたドキュメンタリー映画『ジョン・バージャーと4つの季節』が南房総エリアで初上映されることとなります。また、バージャーの晩年の姿とその伶俐な言葉の数々が記録された本作を、都市部ではなく南房総地域の小さな町の中で見るという試みでもあります。
上映後にはトークショーを開催。千葉の市川市を拠点に国内外で作家活動を展開する画家のMasato Takahashさん、そして千葉の南房総市で毎年秋に開催されているブックマーケット『あわぶっく市』を主宰する前田浩彦さんをゲストにお招きします。ジョン・バージャーが遺したテキストや発言を糸口に、都市部の外側の文化状況についてふれつつ、〝中央〟から距離を置いて独自にアートとカルチャーを創り続けてきたお二人にお話を聞いていきます。
会場は鋸南町の大六海岸にある人気カフェ「3103croquette(サンイチゼロサンコロッケ)」です。地域の食材が用いられたお店自慢の美味しいコロッケとともに内房が誇る夕景の美しさもお楽しみいただけるよう、日の入りの時間(16:40頃)の直前にオープンし、日没後のマジックアワーが終わった頃(17:30を予定)に上映を始めます。
トークゲスト プロフィール
Masato Takahashi (buna / ENG4WA)
90年代後半よりアーティストとして活動を開始。2001年に渡英し、アジア的アイデンティティと向き合いながら、東洋思想や仏教的世界観への関心を深める。10代から影響を受けた70~90年代のパンクカルチャーと、政治・心理への関心が精神的な軸の礎となっている。
2005年以降は“buna”名義で活動を展開。新自由主義的な価値観や大量消費に抗し、自然との共生を象徴する存在を志す。アンダーグラウンドのエレクトロニック・ミュージックを軸に、音楽イベントの企画・運営やDJとして活動し、国内外のレコードレーベルのアートワークも手がけてきた。ロンドンやバルセロナでの個展、Art Basel Miamiのサテライト「Aqua Art Miami」など、ヨーロッパからアメリカまで幅広い国際展示に参加。2024年より本名での制作を本格化。現代社会における精神性の喪失や空白に問いを投げかけ、東洋的価値観を足がかりに、観る者の精神の深層に響く表現を追求している。
Instagram
前田浩彦
ひまつぶしがらん堂を名乗り「人生を踏みはずす」をテーマに選書して古本を販売。店舗を持たず、イベント(awanova、千倉アートマルシェ他)やSANGA(富津市)、ちいさなおうち(南房総市)といった地域の飲食店に委託するかたちでユニークな本棚の数々を展開。毎年秋には南房総市の道の駅ローズマリー公園でブックマーケット「あわぶっく市」を仲間とともに開催している。
あわぶっく市Facebookページ
音楽専門ウェブメディアの研究と実践ラボについて
「ラボ」 とは、青山学院大学総合文化政策学部固有のプロジェクト型実習授業「ラボ・アトリエ実習」の履修者の活動団体を示す略称です。「音楽専門ウェブメディアの研究と実践ラボ」(本年度履修者12名)は、東海林修非常勤講師の指導のもと、主に音楽専門のウェブメディアの研究や運営をしています。
青山学院大学総合文化政策学部
3103croquette|サンイチゼロサンコロッケ

◎お車で(東京・横浜・川崎方面から)
アクアライン、木更津JCTを経由して館山自動車道へ入り「鋸南保田IC」で下車。鋸南保田料金所より約10分。
◎電車で
JR内房線「安房勝山駅」より徒歩で約15分。
1)安房勝山駅の改札を出て直進し、国道(内房なぎさライン)を右折し木更津方面へ。
2)国道沿いのカラオケ屋さん「ロケット」の角を左折し、大六海岸へ。
3)進行方向右側にある大六橋(だいろくばし)を渡ってすぐ。
※国道は歩道が狭くなっていますので、駅から徒歩の方はお気をつけてお越しください。遠回りになりますが、車通りの少ない海岸沿い(勝山海岸→大六海岸)の景色を楽しみながらゆっくり北上するルートもおすすめです。
★Google MAP
□主催・企画:区区往来、UNCANNY
□協力:BABELO、青山学院大学総合文化政策学部「音楽専門ウェブメディアの研究と実践ラボ」、南房企画株式会社、3103croquette
★鋸南町地域おこし協力隊関連企画